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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2019年12月24日(火)

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知事記者会見

2019年12月24日(火)


知事発表(記者質問):「即位の礼正殿の儀」記念品の展示、「美しく豊かな駿河湾を未来につなぐ会」の設立、県内高等学校の海外修学旅行実施率が全国1位、大腸がん検診受診について県民への呼びかけ
幹事社質問:リニア中央新幹線、今年1年の所感、今年の漢字
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
記者質問:知事の発言について
記者質問:知事の発言について、雨畑ダムの堆砂問題

知事発表(記者質問):「即位の礼正殿の儀」記念品の展示、「美しく豊かな駿河湾を未来につなぐ会」の設立、県内高等学校の海外修学旅行実施率が全国1位、大腸がん検診受診について県民への呼びかけ

(知事)

 令和元年度の最後の記者会見になったわけでございますが、今日の花は、トルコギキョウ、淡いピンク、トルコギキョウ。真っ赤なのはラナンキュラスというものです。白はガーベラ。それから先端が丸い枝はバーゼリア。葉っぱはドラセナ、細い銀色の枝は銀アプライト、白い枝は、白塗り枝。一部茶色の部分が残ってるということでございます。残したってことです。クリーム色の白い枝はさらしみつまただそうです。

 今日の発表項目は四つですけれども、最後ということで、今年は、静岡県にゆかりの政治家が2人、逝去されました。お1人は、元内閣総理大臣、静岡高校、当時静岡一中と言いましたけれども、ご出身の中曽根康弘先生。もう1人は、12月19日に急逝されました望月義夫先生ということでございます。その先生たちは、才徳兼備ではなかったかと思います。あらためてリーダーがどうあるべきかということについて考えさせられる年末ということでございますが、こういうのも出ました。「才徳兼備のリーダーシップ」推薦者は日本経済団体連合会名誉会員岡田さんです。前の経団連会長ですね。著者は矢野弘典氏、横綱審議会の委員長であり、本県のふじのくに支援センターのセンター長をやっておられる方でありますけれども、中曽根先生は、政治家の才は言うまでもありませんけれども、世界の大政治家、サッチャーさんとかレーガンさんとか、ゴルバチョフさんとかですね、その方たちと堂々とやり合うといいますか、その人たちに対して、遜色のない器量を備えた方でした。一つの徳ですね。そして、望月先生は、政治家の才は言うまでもありませんけれども、人のよさというか、これも一つの人徳ではなかったかと思いますけれども、才徳兼備、これはこれからの時代に、経済界のみならずいろんな人にとって必要ではないかと思います。せっかくですから、出たばっかりです。時事通信社から出てますけれども、12月21日発売ということで、1,800円。消費税10パーセント180、1980円、2000円以下で買えるということです。

「即位の礼正殿の儀」記念品の展示

 発表項目は四つございます。まずは、即位礼正殿の儀記念品の展示でございます。現在、東館2階ロビーに、10月22日の即位礼正殿の日に参列した際に、宮内庁から頂いた記念品と、天皇皇后両陛下の写真パネルを展示しておりますので、ご紹介申し上げます。ご覧になった方いますか。東館の2階にございます。記念品は古式装束姿の天皇陛下と十二単の皇后様の写真、また高御座(たかみくら)と御帳台(みちょうだい)の写真で、当日の式次第も並べてございます。写真パネルは、両陛下が須崎の御用邸にご静養にお越しになられた際に、下田駅で撮影したものであります。皆さまには、皇室と本県のゆかりを、またご縁を感じていただければと存じます。なお、天皇陛下の誕生月となる来年2月には、天皇陛下、皇后両陛下が静岡県にお越しになられたときのお写真数枚を、週ごとに入れ替えながら展示することを予定しております。

「美しく豊かな駿河湾を未来につなぐ会」の設立

 二つ目の発表項目でありますけれども、「美しく豊かな駿河湾を未来につなぐ会」の設立に関してであります。日本列島のほぼ中央に位置し、水深約2500メートルと、湾として日本一の深さを誇る駿河湾は、富士山とともにはるか昔から人々に愛されてきた美しい海でございます。駿河湾沿岸は国立公園等に指定されており、伊豆半島はユネスコ世界ジオパークに認定されておりまして、2016年には「世界で最も美しい湾クラブ」にも加盟いたしました。一方、近年は、サクラエビの漁獲量の減少、海洋プラスチックごみ問題等の駿河湾を取り巻く課題が顕在化してまいりました。また21世紀は「環境の世紀」、「生命の世紀」だと思いますが、それは、水に関わることでありますけれども、地球上の3分の2を占める部分についての理解を深め、海で生きる命を守っていく取り組みも重要であると、現在駿河湾では環境、観光、産業、地域づくりなど多くの方々が多様な分野で活動を行われていますが、駿河湾の豊かな恵みを享受しながら未来に引き継いでいくためには、こうした方々が一堂に集い、連携を深め、ともに活動すること、そして、こうした取り組みを県内はもとより、国内・世界へと発信し機運を高めていくことが必要でございます。このため、令和の時代の始まりに当たりまして、多様な主体が参画する「美しく豊かな駿河湾を未来につなぐ会」を設立することとなりました。会の発足に向けて、私が発起人代表となりまして、趣旨に賛同する発起人を募っておりますが、12月23日現在、昨日現在で68名の方にご賛同をいただいております。引き続き、駿河湾にゆかりのある方々、企業・団体等にお声掛けをしまして、より多くの皆さまからご賛同いただきたいと考えております。

 令和2年2月14日に発起人による設立総会を開催いたしまして、併せて、どなたでも参加できるキックオフイベントを実施いたしますので、県民の皆さまにはぜひご参加いただきたいと存じます。美しく豊かな駿河湾を未来に引き継いでいくために、本会へのご理解、またご協力をよろしくお願いを申し上げます。

県内高等学校の海外修学旅行実施率が全国1位

 三つ目の発表項目でございますけれども、県内高等学校の海外修学旅行実施率が全国1位になったことについてであります。今月、2018年度、平成30年度全国公立高校と私立高校、両方合わせました公私立高等学校海外修学旅行、海外研修、実施状況調査報告が全国修学旅行研究協会から発表されました。静岡県の公私立高等学校の海外修学旅行実施率は前年度に引き続き全国1位であります。実施校は、公立私立合わせて138校のうちの54校で39.1パーセント。前年度より3.6ポイント上昇いたしました。修学旅行先として最も多かったのが台湾であります。次いでアメリカ、東南アジアとなっております。公立高等学校のみの海外修学旅行実施率については、前年の全国4位から2位に順位を上げました。若いうちに海外へ行くということは貴重な経験であります。参加した生徒さんからも、異文化に触れることにより、日本の良さに気付くことができた、海外での意思疎通のため、英語力をつけたいと強く感じたといった意見が出るなど、生徒さんにとって良い効果をもたらしております。わが国が社会の中で積極的な役割を果たしていくためには、郷土を愛するとともに、多様な文化を理解し、豊かな国際感覚とコミュニケーション能力を身に付けたグローバル人材の育成が必要であります。今後も海外修学旅行をはじめ、生徒が海外の文化に触れる機会を増やしていこうと考えております。

大腸がん検診受診について県民への呼びかけ

 最後の発表項目でありますけれども、皆さん日本人の最も病気になって死ぬその病気は何かというと、何かご存知ですか。がんです。そのがんの中で、大腸がんがございまして、この検診受診について県民にお呼び掛けをするものであります。先月開催されました静岡県がん検診精度管理委員会大腸がん部会におきまして、大腸がん検診の受診勧奨を強化するように強く県に助言がございました。がん検診精度管理委員会は、がん検診の効果的な実施を市町等に対して指導、助言等を行う委員会でございます。日本人の死亡原因で最も多いのは、がんでございます。今や、およそ2人に1人が生涯のうちにがんにかかると言われております。一方、医療の進歩によりまして、一部のがんは、早期の発見や治療ができる時代になっておりまして、早期発見こそ、最も重要で、そのためには、がん検診が有効であるということであります。現在日本では、死亡を防ぐことができる有効ながん検診としては、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんの五つの検診が推奨されております。大腸がんは、静岡県民が最も多くかかるがんであります。大腸がんで亡くなる県民の数も、肺がんについで第2位になっております。昨年は、年間1400人の方が亡くなられました。しかし、県民の大腸がん検診の受診率は、五つのがん検診の中で、最も低い状況というのが現実であります。早期発見、早期治療のためには、大腸がん検診がとても大切でありまして、現在市町が40歳以上を対象として実施している大腸がん検診については、自己負担はわずか数百円程度であります。健診方法というのは、便をとって提出するだけということで、受診しやすいものとなっております。県民の皆さまには、40歳になったら大腸がん検診を受診されるように強くお勧めいたします。私の方の発表項目は以上であります。

(幹事社)

 ありがとうございました。それでは発表項目について質問があればお願いします。

「美しく豊かな駿河湾を未来につなぐ会」の設立

(記者)

 よろしいでしょうか。「美しく豊かな駿河湾を未来につなぐ会」のことをお尋ねします。この関係、「究める」という絵がありますけども、森は海の恋人プロジェクトもここに入っていく形になるんでしょうか、それともあれは別として動いていくのかというところを教えてください。またプロジェクト自体、1回開催されてからまだ開催されてないかなと思うんですけども、ちょっとそこも含めて、こことそのプロジェクトの関係というのはちょっと教えていただけますでしょうか。

(知事)

 はい。「森は海の恋人」、水の循環研究会の顧問の秋道先生が入られております。団体名として、入っております。はい。森は海の恋人研究会は入っているということであります。

(記者)

 研究会プロジェクトの方はなくなってこっち吸収されると。

(知事)

 そうではありません。例えばですね、ふじさん駿河湾フェリー、清水マリン・アンド・ビーチスポーツ振興協会、鈴与さん、中部電力、日本軽金属、マックスバリュ東海、水産技術研究所、ふじのくに地球環境史ミュージアム、富士山世界遺産センター、漁業高等学園、焼津水産高等学校、焼津青少年の家等々、あるいは海のみらい静岡友の会、およそ県関係団体、港湾、水産、船舶、海運、企業、林業、環境、文化・観光、スポーツ、まちづくり、こうした区分、その他食関係、金融経済団体、大学等研究機関、市、町もですね、20余り入っているということであります。まだ本会は発足していないと。2月14日でしたか、そのときに発足いたしまして、それから会の代表だとか、まだ決まっていません。発起人の代表に私はなっておりますけれども、補足しますと、会長さんも決めなきゃならないと。基本的にはそういう幾つもの団体の調整とか連携とかネットワーク化を図るという、中庸していこうというこういう試みであります。

(記者)

 森は海の恋人研究会は、担当は。

(知事)

 あれは、くらし・環境部ですね。




幹事社質問:リニア中央新幹線、今年1年の所感、今年の漢字

(幹事社)

 よろしいですか。では幹事社質問に移らせていただきます。よろしくお願いします。まず、今年1年のリニア中央新幹線工事に伴う大井川の水問題についてお伺いします。昨年10月にJR東海が湧水の全量戻しを表明したことを受け、今年は県の専門部会が再開されて、JR東海との協議が進むのではと非常に期待されました。しかしながらこの1年ほとんど進展はありません。今年1年リニアをめぐる動きを振り返り、知事ご自身で協議が進展しない原因をどのように分析し、来年に向けて国とJR東海にどのような対応を期待しているのかお聞かせください。これが1点目です。2点目は、リニアの水問題以外にも、ラグビーワールドカップの日本代表の活躍や台風被害などさまざまなニュースが今年ありました。今年1年の県内を振り返って所感をお聞かせください。併せて今年を表す漢字をご披露いただければと思います。

リニア中央新幹線

(知事)

 リニアに関するご質問ですけれども、この1年、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の水問題に関しましては、住民や利水者の不安払拭(ふっしょく)のために、JR東海とは主に専門部会を通じまして、科学的根拠に基づいた対応を重ねてまいりました。1年前の12月を思い出していただければと存じますけれども、JR東海に質問書を出した際には、論点すら分かっていなかったというのが1年前の状況です。それと比べますと、大きく進展したというふうに考えています。具体的にもう少し言いますと、地質構造水資源専門部会は、生物多様性専門部会、この二つの専門部会、それぞれ6回開催しております。6月6日には論点を明確にするために中間意見書を送付し、JR東海との対話を踏まえ、9月30日には引き続き対応を要する事項として、いまだ検討が不十分である47項目を絞り込むことができました。この1年で、JR東海との協議は格段に進展があったと認識しております。このような第1回を踏みましてもまだ問題が解決せず、地元の皆さまの不安が払拭(ふっしょく)できていないのは、JR東海の問われたことに対してきちんと答えないといった態度に起因すると存じます。国土交通大臣も、JR東海さんに地域理解を得るように汗をかかなければいけないと述べられております。来年に向けましては、JR東海には分かりやすい説明を行うなど、地元の不安に応える誠意ある回答を期待しております。国には取り組みの形として、水資源、自然環境に関連する、全ての関係省庁が参加する新しい枠組みの交通整理を期待したいということでございます。この点について、明日午前9時45分に難波副知事が国土交通省をご訪問いたしまして、静岡県とJR東海との対話の交通整理を行う新たな枠組みに、国交省のほか、環境省、農林水産省など水資源、自然環境に関連する全ての省庁に参加すること、ならびに本県とJR東海との対話の内容についてご評価いただきまして、文書でご提出いただくことをあらためて鉄道局長宛ての文書により要請する予定であります。県民の皆さまの不安が払拭(ふっしょく)されるように、専門部会において、トンネル湧水の全量戻し、中下流域の地下水への影響、減水による生態系の影響など、引き続き対話を要する47の事項について、科学的エビデンスに基づきJR東海と対話を進めてまいります。見たいですか。どういう文書を持っていくか。ありますか。

今年1年の所感、今年の漢字

(幹事社)

 今年の振り返りと、今年の漢字をお願いします。

(知事)

 そうですね。今年は台風15号、19号というのがございまして、危機管理というものの重要性をあらためて認識したことは言うまでもありません。そしてまた、こうした台風、それ以前のさまざまな危機から災害、危機から学んだ事柄が、今年も、さらに危機管理のレベルを上げていくと、事前防災にしていくということを含めて、いわば静岡県が世界の方々の目に留まる、そういう今年でございましたので、来年はさらに、オリンピック・パラリンピックがございますから、危機管理には万全を期さなくてはならないということを、強く自覚した1年でもありました。同時に、何と言いましてもワールドカップで、「シズオカ・ショック」という名称で静岡の名前が世界に大きく知られるようになったということもございまして、これは大変めでたいことではないかと思います。何と言いましても吉野彰先生が富士の研究所で、旭化成の研究所で、10年間もいらしたということで、本県にゆかりの方が、これで3人目ですか。富士山が世界遺産になってからですね。前回の本庶佑先生、その前が天野浩先生ということで、大変めでたかったと思います。それから、文化力のいわば代名詞になっております、今はSPACでございますけれども、これもニューヨークで、大変な成功を収められたということで。大変いい年になったのではないかと。静岡県にとりましてはね。興奮に沸いたってことで、そして県民の力っていうのが、おもてなしの力といいますか、人々をお迎えする力、人々を幸せにする力というのがあるということも実感できたように思います。その意味で、総じて危機管理はそれとして、とてもいい平成期の終わり方であり、また新しい令和の世の幕開けになったと。ふさわしい幕開けになったのではないかというふうに思います。

 漢字を書けということですね。令和、平成31年ですよね。これの訓読み知ってる人、ご存知ですか、音読みは「ショウ」ですね。「さいわい」とか「さち」。また、兆しという前触れの意味もございます。吉祥天の吉祥と、瑞祥と、祥瑞と言ったりいたしますけれども、この「祥」ということでございます。以上です。

(記者)

 ありがとうございました。

(知事)

 今年ですよ、来年じゃないですよ。来年をどういうふうに見るかっていうことも、1、2、年末のインタビューで聞かれたんですけど。2社ぐらいありました。今年の漢字を聞かれたのは、記者さんあなたが初めてです。そしてこの「祥」という音で思い出されることはありませんか。それは、ノーベル賞を取られた吉野彰先生が今年の漢字、先生にとっては何ですかと言ったら、ノーベル賞の「賞」を書かれたでしょ。実はその賞を受けられて、誠にめでたいと。幸いであるということで、これが兆しって意味もあるそうなんですね、そこはうれしいです。来年に向けてのよい兆しという意味でのこの兆しと、幸いの兆しというのが、堂々と書ける年であったと思っております。

【リニア中央新幹線】

(幹事社)

 すみません、幹事社質問について1点だけ追加質問させてください。明日のリニアの申し入れなんですけど、これは、お2人がお会いになって会談も、面談の時間も取られてるんでしょうか。ちょっと段取りについて教えてください。

(知事)

 じゃあ織部さんの方から。

(織部環境局長)

 環境局長の織部です。明日は申し入れ書を持って、難波副知事が江口審議官の方に伺うということで、時間は面談の取れるかどうかはまだ固まっておりません。とりあえず申し入れ書を持って、お伺いするということだけ決まっています。

(知事)

 関連質問があればどうぞ。

(幹事社)

 幹事社質問の関連質問ありましたら、各社さんお願いします。それではその他。

【今年1年の所感、今年の漢字】

(記者)

 今年の漢字なんですが、例年二つ、違う意味で音読みで同じ字というのを紹介されたかと思うんですけれども、今年は一字だったと思いますが、そのへんの違いというのが何かあるんでしょうか。

(知事)

 今回のワールドカップというのは、国、東京、あるいは横浜、あるいは愛知、大分、さらにまた岩手県の釜石等々ですね、本当に全国の力が、いわば日本の力が「ONE TEAM」となって、ワールドカップのビル・ボーモント会長に、この大会は歴史に残るというふうに言われて、その中での静岡の対アイルランド戦、逆転勝利というものも光ってるということで、これはもう本当に日本全体にとって素晴らしいワールドカップであったということで、この一字に込めました。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 先ほどのリニアの件で、一つ追加の質問なんですけれども、47の項目について、昨日までにその見解がJR東海から示されたということのようですけれども、JR東海から出された見解についての川勝知事の評価はどうなのか。どのようにこの見解について見てらっしゃるのか、そこを教えていただけますでしょうか。

(知事)

 JR東海さんは、それぞれ47の項目について順次、3回目出してこられたんですね。そしてうちの織部さんのところで、しっかり見てほしいと。それでまた返してほしいという、こういう段階なんですね。ですから、最終回答というふうには、JR東海さんもお考えになっていないということなので、そこで精査し、そしてやりとりをした上で、そして専門部会にかけると。こういう段取りなので、これがちゃんと伝わってなかったので、一部のマスコミとかあるいは県議会の議員の先生の中で、「何だ、隠していたのか」というふうな大きな誤解があったんですが、これはJR東海さんとのやりとりのそういう中身なものですから、最終回答ではないので、言ってみればそれを、大きく出してほしくないってことだったんですが、しかしそれは別に隠すべきことではないので。ですから、皆さま方にもご公表を申し上げていると。そうすると、ご覧になってすぐ分かると思いますけれども、結論的に言えば、この水を全量戻すという技術を現在持っていないという、それがますます明らかになってきたということじゃないかと思います。すなわち、全量は戻すと、水問題については、下流なんか関係ないというようなことだったわけですけれども、そうしたことも含めて、この問題に対する技術的な解決策を、現段階では、JR東海さんはお持ちでないということが分かったと。

 それからまた、問題の本質はトンネルが掘れるかどうかではなくて、水の問題であるということで、これはJR東海さんにとっては、ある意味でトンネルを掘れば水が出ますから、その水をトンネル外に出すと、しかも事故なく出すということが今までポイントだったわけですけれども、この水を、これを活用している人間、また動植物、こうしたものに損害を与えないように戻すということをお考えになっていなかったということが、今回のやりとりの中でほぼ明確になったと。従って、答えがなかなか出せないというのが、出し渋ってるのではなくて、出せないというのが、JR東海さんの正直な技術レベルではないかと思います。

(記者)

 ごめんなさい、そうしますと、先ほど協議の進展というのは大いにあったということでしたけれども、現実的には利水者団体との協定が結ばれるってことが、まず本工事を始めるにあたっての前提ということですので、当然この問題は年を越すことになりますでしょうし、年を越したとしても、まだそういった協定が結ばれる、そしてその後に本工事が行われるっていうことは、かなり現実的にはまだ遠い未来のことだというふうにお考えでしょうか。そのあたりいかがでしょうか。

(知事)

 遠いか近いは別にしまして、未来のことですね、昨日遇遇(ぐうぐう)、中部地域の首長先生と、午後何時頃だったでしょうか。4時くらいから7時過ぎまでご一緒する機会がございました。そこには上流からいきますと、川根本町、島田、牧之原、吉田それから焼津、それから藤枝市プラス静岡市長さんもお越しになったわけでございますけれども、静岡市を除いて、みんな大井川流域でございますものですから、この方たちが、これは公開のやりとりだったわけなので、ご存知だと存じますけれども、大井川を一体的に頼っているので、一体で、この水の問題を県と一緒になってやっていきたいということでございまして、そしてこの協定を結ぶについても、きちっとしたその納得がいった上でないと協定を結んでほしくないということでございましたから、今、とてもではありませんけれども、JR東海さんが利水者やその他水に関わる論点について、明確に回答ができるレベルに達してないわけですね。ですから、到底協定が結べないということであります。

(記者)

 織部局長になるかもしれませんが、確認一点だけ。まず明日の会合は、これ県の方から国交省に対してこの申し入れをするので、時間とってくれっていうふうに言ったということでしょうか。向こうから来いっていう話ではなくて。向こうから来てくれって話じゃなくて。

(織部環境局長)

 向こうから来てくれということではなくて、こちらから申し入れをするっていうことです。

(記者)

 ありがとうございます。県議会の議論の中で、JR東海の理解、JR東海が地元の理解を得ることが大事だというのが今すごく、国もああやって勉強会とかやっている中で、市町へのJR東海の個別の訪問について、昨年の8月に難波副知事名で出した文書には「交渉は控えてくれ」という言い方をしているんだけども、面会や面談あるいは表敬ならいいのかという質問が出ました。それに対して、織部局長は各市町の町長さんの判断だというふうに答弁をされたんですけれども、知事も同じような考えということでよろしいでしょうか。

(知事)

 市町の方たちはで、県に全面的に委ねるっていうのが、基本的なこれまで表明されてきた姿勢です。しかし一方で、会うことに対して、拒否されるような人たちではないわけですね。何しに来られるのかということでありましょう。それで、「会いたい、会いたい」というふうなお声聞こえてくるので、ですから私も一度、昨日は7市町だったわけですね。それ以外に掛川であるとか菊川であるとかも入ってるわけです。御前崎市さんも入ってるわけですね、袋井も入っている。そういうことで、その人たちの首長先生と、一度会を持って、そのあたりのところを確認し、その上でというふうに思っております。来月になると思いますけれども。

(記者)

 リニア協議の来年に向けての話なんですけど、今年は明日難波さんが申し入れをするなど、ある程度県側としてはJR東海とか国交省にボールを投げた状態で、待ってるものがかなり多いと思うんですけれども、来年はそのボールを待つのか、それとも、例えば環境大臣だったり、農林水産大臣だったりに会いにいって、直接こういう「協議の枠組みに入ってくれ」っていうような新たにボールを投げていくのか、そういうその来年に向けての意気込みっていうんですかね、そういったものをちょっと聞かせてもらえれば。

(知事)

 当初、この夏に中部地方の知事さんの会議があって、それでリニアの建設に反対してるわけでありませんからね。しかも通る県になっていますから。われわれがどうして入ってないんですかということで、そういう問題提起をしたところから始まりまして、問題の本質が分からないまま、何か県がリニア建設工事に邪魔をしているようっていうような誤解があったわけですね。その誤解は解けただけでなくて、この問題が水の問題だということが、だんだんとまた確実に共有されるようになりました。そして江口審議官は全ての市町を回られて、そのことをしっかり確認されたわけですね。その結果、これが国交省の鉄道局のいわば所轄を超えるということも、今認識されているのではないかと思います。今、駿河湾をこれから守っていこうという会の補足についても言いましたけれども、20世紀が、仮に、大きくくくるとすれば、戦争と革命の世紀というふうに言えるんじゃないかと思います。まさに多くの人の命を奪うだけでなくて、生活を破壊し、環境を破壊する、そういうことがなされた時代でございました。そして後半は、20世紀の後半は、経済力一本で、ついにはブラジルのリオデジャネイロで地球サミットといわれるような持続可能な形での発展でしか認めることができないという、そういう流れが生まれまして、そしてSDGsにも環境とか水とかということがうたわれているわけです。そして今や、環境権という言葉もありますけれども、環境と生命というものこそ、地球全体の共有財産だということで、そうした中で一番大切な水だと。自然環境というのはまさに緑の、あるいは生物の多様性というものによって、はじめて自然の環境というものがつくり上げられているし、命は皆水をなくしては何一つ生きていくことできないということで、まさにある意味で水の世紀なんですね。その水を破壊していいのかということになりますと、つい数日前、全国ナショナルトラストの全国大会があって、そこで500人ぐらいいらした会場が、この問題について、ナショナルトラストの一員である漆畑さんが問題提起されたところ、万来の拍手が湧いたそうです。

 ですから、水環境と経済効率どちらを選ぶかというような形に、今広がってきたと。それが一番集中的に、南アルプス問題に表れていると。世界最先端の交通インフラであるリニアと、つまり経済効率ですね、スーパーメガリージョン、6500万人が1時間ちょっとで結ばれると。それを選ぶのか。それとも、エコパーク、バイオ・スフィア・リザーブが正式名称です。バイオ、すなわち生命、スフィア、広がりですね。生物空間のリザーブ、保護するということで守るべきと。そういう生命圏もですね、どちらをとるんですかというような議論に今なりつつありますね。ですから、ひょっとするとこれ二者択一になりかねないと。そして、水が失われたり、それから、汚濁されたりした場合に、これはエコパークも取り消しになりかねないという問題にも広がっておりますから。水か経済だという、そういう論点がこの年末にはっきりとしてきたと。そして同時に、水を抜きに経済効率を優先するということはあってはならないというふうに、倫理感が絡まっております。ですからこういう意味では、全く違う地平で、新しい令和2年を迎えるのではないかと思います。昨年は何が問題かすら分かってなかった。「水は大丈夫ですか」ぐらいだったわけですね。大丈夫に決まっているだろうっていうのがJR東海さんで、全くテーブルにつこうとされないような状況でした。

 それが全く変わって、そういう意味では大きな進展があったと思いますけれども、問題の地平が、いわば地球環境問題のそれを守るかどうか。それのシンボルが今南アルプスに集約されてると。しかもそこに、日本が誇る最高のインフラ技術であるリニアが通ると。どちらを選ぶかということになってるんじゃないかと思ってます。こういうような二項対立の中で、令和2年度を迎えるということになってると思います。新聞さんはどちらのスタンスをとられますか。そうしたことが、ジャーナリストにも問われるんじゃないかと。それは問うに値する問いだと思います。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 二項両立ではなく、二者択一になる年ということですか。

(知事)

 二項対立になりかねない状況が今の状況だと。さあどうするかと。そこで私は、これは国民の知恵を結集するべき論点だというふうに思っております。ですから、どういうふうにすれば、人類の財産であるこの南アルプスを保全し、かつ、1960年代から進められてきたこのリニアのこのプロジェクトというの、どう両立させるか。これが、調整に値する課題だということで。二項対立になると、勝敗は決まっています。そのような方に振り向けないように、使用し得るべき年になるというふうに思います。

(記者)

 現段階でお話できる知恵っていうのは、どういったものですか。知事として、来年に向けて具体的にやりたいこと、この協議を受けて、そこをちょっと教えていただきますか。

(知事)

 そうですね。二宮尊徳という人が、小田原に生まれて東関東で仕事されたわけですけど、その方が、いろんな名言を残されてるんですね。その中で、「ことを起こすには、終わりをつまびらかにしてから始めるべし」というのがあります。今で言うとバックキャスティングとかっていうんですかね。つまり、どこに着地点があるかっていうことを見た上で、仕事を始めなさいということですね。ですから、それなりの着地点というのは、見ながら、あるいはそこをどこに着地するかと、どこに着地できるかと。両立させるにはどうしたらいいかということを、果たして人々がそれに同意するかは別にして、考えることっていうのはできますので。ですから当然私は、両立をできると見ておりまして、そういう方向に皆さんの知恵を出していただいて、何とかこの日本のみならず、そのうち世界にも注目されるような、そういう問題として恥ずかしいことにならないように、私としては尽力したいと思っております。ただ意思決定者ではありませんので、意思決定者がそういう、これ大きな問題だというふうに認識されることが重要で。ごり押しをするんだと、これ全幹法で決めて、国が認可したからごり押しするんだと言ったら、もっともっと大きな傷を生むことになると。いわば山、もう間もなくサミット、頂上に着くといったところに大嵐になったと。もうちょっとだから行こうかと。いや1回下山した方がいい。だけど今まで登ってきたこと無駄になるんじゃないかと。しかし、登って全員が遭難したら、もっと大きなコストになります。従って、ここは不測の事態が、今現れてきたと。特に水の問題というのは、表面水だけ考えてましたけれども、この数日来、東日本大震災で汚染された水というものの処置に困られてる。当初皆さんご存知のように、地下水が福島第1原発の下を流れておりまして、そこにこのように溶解した放射能に汚染されると。従って、いかにして地下水を止めるかということだったんですね。そういう壁を造るかということから始まりました。ですから、ああいうところ地下水は、流れてるわけですね。

 ましてや大井川の皆流域ですから、伏流水も地下水も流れてると。そうしたものは関係ないというような態度が、ついこの秋におけるJR東海の最高責任者の1人から出てたじゃありませんか。水循環基本法を知らないんですかっていうふうな問いが、投げ掛けられるようなことでもございました。ですから今、JR東海は不測の事態に直面されていると。それはJR東海にこれを認可した国も、不測の事態であるというふうに認識するべきときだと。これをどのように、事前防災という観点から対処するかという、そういう問題に直面しているということを、関係者は認識されるのが大切であると思っています。

(記者)

 今年の一文字の「祥」なんですけど、兆しという部分で、リニア問題に関してはどのような兆しを感じていらっしゃるんでしょうか。

(知事)

 もうこれは、何とか日本人の最高の知恵を出せれば、それが意思決定者に共有されれば、あっという間に解決できるだろうと思っております。私自身も、1999年だと思うんですけれども、リニアに乗り、私の今までの仕事を見てたら、リニアについて、Wedgeっていう雑誌にエッセイまで書いてます。これが重要だということ。2004、5年のことだと思いますけれども、ですからその頃は、全国からいわゆる国土形成計画というのが始まりまして、そしてスーパーメガリージョンと、要するにこの6500万人が一つのメガリージョン大都市圏として、スーパーの大都市圏として誕生するという機会があったんですね。そういう目的があって、そしてそこに、このリニアという、その旧来の新幹線の技術を、はるかに次元を高くしたもので実現するということであって、ある種の日本の技術立国の、インフラ技術の粋はここに結集しているというふうなことがありました。ですからこれはこれとして、いろんな波及効果を生むんですね。単にリニア通すだけでなくて、200キロで最初走ったいわゆる新幹線が、今300キロでしょう。300キロプラスアルファ出せるようになりました。そしてまたカーブも、JR東海に関する限りですけども、N700が出たときには、カーブで今まで減速してたわけですね、700系のときには。N700系のときにはカーブでも減速しなくて済むような、そういう技術進歩があったわけです。今回は磁石ということでありますけれども、これはものすごい電力使います。だから今の自然再生エネルギーで賄えるのかといったら、到底賄えません。だからJR東海さんは、これは原発を推進されているのはそういう理由によりますね。だけど原発動かさないでしょう。

 しかしながら、電池っていうのがあります。今、それこそ吉野彰先生がリチウム電池、これを世界に供給されたと。こういう電池っていうのは、これは消費するだけじゃなくてまたリサイクルできますからね。何度も使えるということであれば、仮に発明されるということであれば、そういう材料が見つかったりすれば、また大きな進展になるかもしれないと思います。ですから、これはもう本当の技術進歩っていうのは、未知のところがあります。だから私はそういうものに対して、自然が大事だから、全部シャットアウトしろというふうなことはしない方がいいと。いかにして両立させるか、これが和の精神だと。和というのは、足すことですから、あれかこれかという二者択一ではなくてですね。AかBか、AプラスBだと。こういうことで、青と黄色を足したら、2色っていうのは青と黄色を足して、両方の色が生かされた緑になったりですね。こちらの方は青、こちらの方は赤と。それは大いなる和、大和の精神ではないかと、だからいかにして両立させるかということをベースにして、考えるべきっていう。いよいよ、12月の末にはっきりしたなっていうのが私の現状認識です。

(記者)

 先ほど知事が、JR東海が47項目に関する見解について、まだ全量を戻す技術的なレベルに達していないというふうに認識されているとおっしゃったんですが、具体的にその見解の中のどういった部分、どういった内容について、これを技術的にも難しいんじゃないかっていうふうにお考えになったのかっていうことをご説明いただけますか。

(知事)

 はい。山梨県側から掘るにしましても、長野県側から掘るにいたしましても、掘り方が決められてますね。上の方に上っていくと、その水は当然、高いところから低いところに流れますから、それを戻す技術がないというのが一番分かりやすいんじゃないでしょうか。それからまた土捨て場がございますけれども、それが今回の台風19号で、相当のところがやられました。土捨て場ではありませんが、大井川のいわゆる林道のところですが、それが崩れて今、河川敷を走ってるわけですね。それの今、林道整備がようやく遅まきながら始まったということでございますが、そういうところに、膨大なトンネルの土砂を、いわば捨てて、それを流れないようにすると。本当にできるんですかということもございますね。それから仮に流量を戻すっていっても、水質は変わらないんですかと。人間にとって毒じゃでなくても、微妙な環境変化、水温の違いによって生きていけない動植物もいます。そういったものは大丈夫ですか。そうした事柄について考えたこともなかったんではないかとすら思うようなことでございまして、そこに、水量、水質、土捨て場の問題、まだ常時管理、常時それをしっかり監視すると、そういうシステムについて、これまでなかったですね。それを十分にまだできてないというようなことでございます。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 リニア問題で1点だけ伺いたいと思います。先ほど知事、両立できるということを言われてましたけれども、この両立というのは大井川の水の問題と、2027年のリニア開業が両立できるという、そういう捉え方でいいですか。

(知事)

 リニアというインフラ整備は、これは名古屋を経由して東京大阪間を結ぶということですね。これを中止するか、南アルプスを選ぶかというようなことではなくて、リニアは今まで幾つもルートもあったりして、まだルートも決まってない箇所もあるし、駅の場所も決まってないところもあるわけですね。そういうことも含めて、これは可変的なわけですね。進める方向でしょ。だけども進めるなという意見が出てきてるじゃありませんか、あちらこちらに。これはもうそれを突き詰めればリニアはいらないという議論になってきます。ですからその2027年というのは、もうすでにこの台風19号で林道がやられてるわけですから、林道の復旧にどのぐらいかかりますか。昨日、中部地域の方々との話し合いの中で、これ食事の席で皆さま方、お聞きになってなかったわけですけれども。川根本町の鈴木さんが、ご案内のように静岡市がJR東海と結んだ契約を撤回しろとおっしゃってるでしょ。それの絡みで、三ツ峰落合線のトンネルを掘ったとすると、その土砂はどこに捨てるんですかと聞いたところ、それをはっきり質問として受け止められたか別にして、捨てることないでしょう。差し当たって。というのは、あれはかなり山奥のとこです。そこから20キロぐらい、くねくね道をしかも必ずしも安全であるとはいえない道を、大型トラックが登ってこられるかという。恐らくその問題を静岡市は考えてなかったんじゃないかと私は受け止めました。あれだけのところ、当然この大型トラックが、土砂を運んですれ違うこともできないでしょう。そうするとものすごく非効率的ですし、しかしこれはこれとしてあると。そうすると議論として出てきたのは、閑蔵線だったら、あれは山に入る直前まで2車線ですね。片側1車線ずつございますから、大型トラックが交差できると。そしてその土砂は例えば吉田町に持っていけると。そしたら川根本町の鈴木さんが、いやそんなトラックなんか使う必要もないと。大井川鉄道はもともと貨物だったから、あの貨物でずっと川根まで持ってくれば、その間、大型トラックで近隣の人々が公害に悩まされることはなくて、持ってこれますよと。その土砂は、そのまま有効活用ができるというような話もあったんですよ。

 ですから、どちらが有効かっていうことも、今はそういう話になっております。これは昨日食事の席で出た、そしてそこに戦略監などは、これは両方掘ったらいいんじゃないかと、別に契約を解除することはないんじゃないかというようなことを言っておられましたが、何か、その意図は何だったんでしょうか。

(知事戦略監)

 すみません、戦略監の篠原です。今知事がおっしゃいましたように、三ツ峰落合線については、もうすでに静岡市さんとJR東海さんとでお約束があると。今、やはり上の方に行く工事を続けていくには、閑蔵線の方のトンネルの方が安全性高いし、すぐできるんじゃないかと。そういう中で、両方やっていただければ、それはそれで一番いいんじゃないかなっていうふうな思いで発言いたしました。

(知事)

 優先順位は。

(知事戦略監)

 閑蔵線の方が、簡単ですので。三ツ峰落合線ですと、そこへ、トンネルのとこ行くまでも、知事がおっしゃいましたようにくねくねした道を登っていかなくてはならないわけですね。それは工事も大変だろうというふうに思いまして、そういう発言をしました。

(知事)

 それに対して反論は1人もありませんでした。だから十分に考えた上で、あの契約もされたわけではないと。だから鈴木町長さんが怒られるのはもっともだと思いましたが、実現不可能性みたいなところが、この土砂をどうするかっていう問題で出てきたんじゃないですか、三ツ峰落合線については。だから、どういう経緯でどういう方法でこの土砂をするかっていうことが全て、計算した上で、あるいは納得ずくめでトンネル掘る決意、経過にあったのかということも、あらためて問われたんじゃないかと。市長さんからは何のご説明もありませんでした。

(記者)

 すみません、その工事で発生する土砂を防潮堤で活用するということは、具体的にJR東海に対して提案するような。

(知事)

 いえいえ、これは食事の席の話で。ただ閑蔵線で掘った場合の土砂ならば、下流に運ぶのに三ツ峰落合線とは格段のいわば効率性というものがあると。これは実は鈴木町長さんによれば、JR東海さんも十分に認識されていたと。それを突然ひっくり返ったと。だから撤回しろと言ってるんだと。だけど撤回する必要ないでしょうと、約束されてるものですから。だけどどちらが優先かなということで、両方やるにしても、閑蔵線の方がいいと。仮にその作業場に行くに、この一般道を走っていくわけですけれども、閑蔵線の山の中入るのか、それとも三ツ峰落合線を通るのかといえば、もうこれも地元知ってる人は、あるいは作業する人の観点に立てば、どちらかと言ったらおのずから明らかだという話が、ようやくそこで共有されたと。ひょっとすると市長さんとかそういう表明があるかもしれません。

(幹事社)

 幹事社質問以外も含めてお願いします。




記者質問:知事の発言について

(記者)

 先日の知事の予算要望の際の発言についてお尋ねします。19日の公明党県議団と共産党県議の予算要望で、県議会の有力会派を念頭にやくざの集団、ごろつきなどと非難したり、文化力の拠点計画をめぐって、反対する理由は川勝が嫌いというだけ、反対する人がいたら県議会議員の資格がないなどと発言したりしました。これ取材の音声記録を聞き返せば明らかですが、自民改革会議の議員総会では発言した事実を曖昧にして、発言の撤回や謝罪はありませんでした。その後の代表者会議でも、反対する人は県議会議員の資格がないという発言について認めなかったと聞いています。議会から、発言の内容やその後の対応に非難の声も上がっていますけれども、あらためて県議会に対して一連の発言の撤回および謝罪はしないのでしょうか。

(知事)

 これは予算要望に来られたんですね。順番は自民党、それからふじのくに県民クラブ、それから公明党、それから共産党という順番でした。そして、そこで予算要望をお聞きした後、お答えした内容は同じです。つまり文化力の拠点、図書館の問題について、発言しまして、これ自民党にも同じです。同じことを申し上げている。ただ相手が違うだけです。ふじのくに県議団とは激論になりました。そういうことで、ポイントは、はっきりしたことは文化力の拠点について、うちの職員の説明不足というのがはっきりしたということでしたね。つまり県議の方々というよりも、図書館に反対する人は実はいないようです。そしてICTとかAIとか、こうしたものの拠点の予算を挙げているわけですが、21世紀の図書館に、ICTなどを活用しない図書館があると思われますか。これは自民党さんに申し上げたかと存じますけれども、同じことを申し上げてるわけですが。国会図書館に、これは東京にございますけれども、もう一つ国会図書館があるのを記者さんご存知ですか。あれでしょ、関西文化学術都市にあります。あそこ本ありますか。本ありません。全部データ化したものがそこにあるので。ですから同じようにアクセスできるわけです。ですからこういうICT技術というのは20年以上前から、もう21世紀の新しい、しかも県立図書館というのは各市町の図書館の親みたいになるわけですよね、中心ですから。いろんなところにネットワークで結ばなくちゃいけませんから、ICTが入ってるのは当たり前なんですよ。それを別立てにするから分かりにくかったと、それ今反省されてるようですが。要するにそれでまた食の都、花の都、茶の都などというから、分かりにくくなるわけですね。図書館に行って食事をすると、その食の都は食の都の仕事人等々の、誰もが、お昼ご飯なりあるいは休憩なり、夕食の時間にございますから、そこに、ワンフロア全てそういうものにしようと。それをきっちり説明すればよかったのが、そうなってなかったと。

 私はそれについてなぜ反対するのかと言ったら、それで激論になったりしたわけですから。それはそういうふうな説明を受けてなかったと。それからまた共産党の場合では、反対したとおっしゃった。なぜ反対するんですかと。公明党もなぜ反対したんですかと。反対する理由がないのに反対したとは何事かという、それははっきりしたことは説明不足であったと。公益に反することをするのは誰でしょう。県民が、皆欲しいと言ってる。ここにですね。それに足を引っ張るっていうのは、公益っていいますか県益これに反することをする行為に等しいと、こういうわけですね。ですからそういうあの脈絡で、ご理解いただいたと思ってます。

(記者)

 そうしますと発言の撤回なり謝罪は必要ないと。

(知事)

 はい。

(記者)

 あと昨日の議員総会でしたね、先日の議員総会でわれわれの私どもの記事に関して、「報道の自由があるし、それなりの信念を持って書かれたに違いないと私は思っていて、そこはまず責めるつもりがない。その方に圧力がかからないようにお願いする」と発言しました。これあたかも報道側に責められるべき非があるような発言ですけれども、音声記録を確認しても記事は文脈を無視して発言を切り取ったりしておらず、当たり前ですけれども責められる筋合いはないと考えております。この発言に関しては、そういった意図ではないということは明確に確認させていただきたいところです。報道機関として信用問題に関わるので明確にお答えください。

(知事)

 はい。報道は編集する権利がありますから、話してる時間は小1時間あるわけですね、あるいは場合によって30分以上話してるわけです。それが今の記事は何分でしょうか。1分で読めるじゃないですか。そのままではないでしょう。ですから、話したことを仮に記者さんが書くと、別の人が書くと、違うように書きます。それは話した人の中身が悪かったというふうに言いますか、これは記者の場合は別にしまして、例えば講義をすると。それに対して答案があがってくると、一人一人全部答えが違います、というか答案の中身は違いますよ。それに対して先生の場合は、それに対してよく書けてるというのには優を、駄目なのには不可を差し上げるわけですね。その不可の人に対して、これはこんなこと言った覚えがないのにも関わらず、そう聞いたということで書いてるわけでしょ。そうすると誰が悪いんですか。話した本人が悪いと言えますか、じゃあ書いた本人が悪いと言えますか、書いた人はそう思って書いてるんだから、私は報道の方の編集権や、それからテレビにおける編集権は、こうしたものに対しては、これまでもそうでしたけれども、今もそうしたことには一切干渉しないと。例えば、これが間違いだったら訴えろとかというふうなことを、言った方も、その県議の中にはいらっしゃいましたけれども。そういうふうなことをするべき筋のものではないということであります。

(記者)

 すみません。今のお話ですと私ども、報道がある意味恣意的な部分を持って書いたというような可能性を排除していただけなかったような受け取り方をしましたので、私どもだけその場には取材の機会、たまたま私どもしかいなくて、音声として私どもしか持っていないものですから、私ども信用問題に関わるもんですから、県議会および報道機関で、もし要請があれば、その音声を公開しまして、それで広く、どういった発言の趣旨だったかをもう少し私ども以外にも検討させていただくことも考えたいと思います。

(知事)

 どうぞ。

(記者)

 今、知事は言った覚えのないことにという言葉をおっしゃったんですが、言ったんですか言わなかったんですか。

(知事)

 私が申し上げた趣旨は、図書館問題に関する議論です。そして公明党の皆さま方と、それから共産党の方に申し上げた趣旨は全く一緒です。ただ、相手が違いますからね。だから、ニュアンスは違うというふうに思います。しかしこれは自民党の方々にも、それからふじのくに県議団の皆さんにも同じだということですね。

(記者)

 文言として、反対する者に議員の資格はないということはおっしゃったんですね。

(知事)

 そこだけ取り上げる必要ないと思いますね。だから全体の脈絡を聞かれたらいいんじゃないですか。




記者質問:知事の発言について、雨畑ダムの堆砂問題

知事の発言について

(記者)

 二元代表制において、当局の案に対してその案の趣旨、あるいは予算規模いろいろあると思いますけれども、反対してチェックするのは議員の仕事でもあります。それに対して反対する者は議員の資格がないっていうのは暴論だと思いますが。

(知事)

 一般論としてはね。ですから議会でやればいいわけです。そして、今回の場合はですね、決められた予算をいわば通さないというか、予算は通ったんですけれども延期すると。パブリックコメントをですね、ということになったわけでしょ。これは私は県民の公益に反すると信じています。公益に反する行為であると信じております。ただし、責任の一端は、説明不足にあったということもまた確かなので、私が言ってみればこの件について県議の先生方に説明できる機会が、予算要望のときにあったわけですね。だからそれぞれの方々、お立場があるでしょう。それぞれの方々のお立場に即して申し上げたということです。

(記者)

 責任は両者にあるということですよね。

(記者)

 どなたも図書館の建設に反対してないということが分かりました。にも関わらずなぜ反対になったのかと。なぜ差し戻しになったのか。それは当局の説明不足にあったということが分かったと。すなわちICTの拠点、あるいはAIの拠点というものに別立てで予算をつくっていたので、さらにまた、いわゆる大学コンソーシアムというものについてこれは、大学人が欲しいと言っておられることですから。ただ、そうしたことについて、まだはっきりとどういう形態のものを、大学コンソーシアムとして欲しいと言われてるのか明確にならないまま、一定額のものを書いていたので、ですからそこが、いわば引っかかる形で図書館全体について反対をするというか、図書館全体の建設を遅らせるという、そういうことになったというのは、私は当局側の、私ども側の説明不足であることを知ったので、今は、文化・観光部としては、あれですね、その点を今組み変える形で説明の仕方を、実態に即した形で、準備していると理解しております。

(記者)

 反対する者に議員の資格はないという発言そのものは、一部であるかもしれないですけど、でもやはり暴論ではあると思うので、潔く謝罪、撤回されたらいいのではないかと思うのですがいかがでしょうか。

(知事)

 私は反対されることに慣れております。それに対して、反対してるから君はおかしいと。仮に虚言を吐いてることが分かっていても、改めない方もいらっしゃいますね。だけどそれは、議員の資格において自分が改めなければ改めないわけですから、ですからそうしたことについて、言論の自由ですからね、そこはもう、そういうものとして私は認めているということで、一度も反対している人は議員の資格がないというふうな、一般論に膾炙(かいしょう)されるようなことをですね、言った覚えは全くありません。

(記者)

 さっきのこの関連の話なんですけど、やくざの集団とかごろつきとかという発言もあったっていうことでいいんですか。御自身の発言をされたということでいいですか、それは。文脈がどうであれ、その文言としては言われたっていうことでいいんですかね。

(知事)

 反社会的な行為をする、公益に反するような行為をする人のことをやくざとかごろつきというのではないですか。

(記者)

 それは自民党を念頭において言ったっていたっていうか。

(知事)

 そういう反社会的という、つまり県民の公益に最も重要な、資する図書館について、その足を引っ張るっていうのは公益に反すると私は思っております。

雨畑ダムの堆砂問題

(記者)

 知事は先日、山梨県の雨畑ダムを視察に行かれたと思うんですけれども、日軽金が5年間、600万立米の土砂を撤去すると発表されました。この件についての受け止めをお願いします。

(知事)

 まず雨畑ダム、12月25日に参りまして、そして町長さんとご一緒にまた中平君とかと一緒に行ったわけですが。雨畑川と早川が合流してるところがあります。早川の上流からきている水と、それから雨畑から流れてくる水はもう色が全然違います。雨畑からは濁ってると。ではどっから濁っているかということで、雨畑ダムのところまで行きました。ダムは99パーセントって言ってもいいくらい、もういわば堆砂で覆われていたので、発電ダムとしての機能も持ってないなとすら思ったぐらいです。しかし、さらに上流にまで行きました。そうすると2000メートル級の実際は、そこまで見えないんですけど、山奥ですから、だけどその山が崩れてるのは、誰が見ても明々白々で、大体年間50万立米ぐらいの土砂が上から流れてくると、今回の台風19号で、さらにそういう土砂が、周りの景観を台無しにして、道の一部も押しつぶしていたというのを見ました。ですから、そこからも汚れてるんですね、汚れというか濁ってるわけです。そしてそこは堆砂がいっぱいありますから、その堆砂を触ってみました。その堆砂は、これはいい、言ってみれば砂礫(されき)なわけです。上流に行けば行くほどもちろん大きな岩もございましたけれども、通常、ダムの近くに行くと普通の、この良質のいわば資材になるなっていうのが私の印象でしたね。

 ですからこれ50万立米取ってくるということなので、それ以上取らないと、堆砂をどんどんどんどんたまるばかりだと。ですから早川町長さんは、その2倍くらい100万立米あれば、50万立米が、10年で500万立米になりますから、今大体1600万立米ぐらいあるわけですね。これの3分の1ぐらいが10年で撤去できるというような計算をされておりました。私どもは、今、防潮堤を造って、それが土砂が足りないところもありますから、そうしたところにこれは活用できるということで、そういう形でその堆砂の持って行き場をですね、やっぱり合わせて考えなきゃいけないということで、そういう発言もしたんですけど。ただ、これは言ってみれば建築資材にもなるものでありますから、日軽金さんとしても、それは自分たちのものですからね、どういうふうにされるか自由なんですけれども、仮にその持っていくにしても、持って行き場がない場合に、私どもはそれに協力ができるのではないかというところまで、その場で発言をいたしました。それに、日軽金の今回10年でっていうのは大変ご立派なことだと思います。ともかくあそこの対象は、取り除かないとずっと濁りっ放しになると思います。もうほとんど表面まで、水の表面までダムのところは堆砂がきてますし、サラサラしてますから。それが大雨と一緒にダムを越えて流れるのは目に見えておりますのでね、いつまでたっても濁りが取れないというふうに思います。

(記者)

 ありがとうございました。




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